はじめに読んでください
2030 / 12 / 17 ( Tue )
こんにちは。はじめまして。

甲(きのえ)といいます。色々なところで文字を投稿していますが、我が家はこのブログとこちらのサイトです:


<http://nanatsukai.lv9.org> 


少しでも楽しんでいただけると幸いです。

現在連載中:ゆみとミズチ、リグレファルナ
完結:聖女ミスリア巡礼紀行、きみの黒土に沃ぐ赤

「目次」カテゴリからそれぞれの作品の目次ページに飛べます。

*******

代表作(?)「聖女ミスリア巡礼紀行」について。

アクションやら化け物やら組織やらいろいろ出ますが、元は単なる「旅する男女」を書きたくて練った話です。なお、多少の残虐非道な行為・発言または性的描写は含むかもしれませんので、15歳未満の方は閲覧を遠慮してください

作品内に主張される信念や思想は私の脳から出たものであってもすべてを私が支持しているわけではありません。あくまでフィクションです。


*******

初めていらっしゃるお客様はまずサイトの方のインターフェイスを試しに見て行ってください。本編は長いので最初はブログよりもサイト(または小説家になろう、カクヨムでも同タイトル同名義で掲載しています)で見た方が読みやすいと思います。ブログで読む方は下の目次記事へどうぞ。

どの記事も大体5分以内で読めるでしょう。

感想はコメント・拍手でも何でもどんと来いです お待ちしてます(・∀・)


ではよろしくお願いします!




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23:59:59 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
本編目次
2030 / 12 / 17 ( Tue )

混沌に満ちた架空の大陸を舞台にした長編ダーク・ハイファンタジーです。
世界を救うために旅立ってますが、
その実主人公たちは別の何かを 探しているのかもしれません。

ここは目次ページです。初めての方ははじめにの記事へどうぞ。



第一章: 行路を織り成す選択の連なり

01 06 - a b c d e f g 11 - a b c d e f g h
02 - a b c d e f 07 - a b c d e f 12 - a b c d e f g h i j k
03 - a b c d e f g h 08 - a b c d e f g h 13 - a b c d e f
04 - a b c d e 09 - a b c d e 14 - a b c d e f g h i j
05 - a b c d e f 10 - a b c d e f g h i j  


第二章: 聖地を巡る意味

15 - a b c d e f g h i j 19 - a b c d e f 23 - a b c d e f g
16 - a b c d e f g 20 - a b c d e f g h i 24 - a b c d e f g
17 - a b c d e f g h 21 - a b c d e f g h i 25 - a b c d e f
18 - a b c d e f g h i j 22 - a b c d e f g 26 - a b c d e f g h i j k


第三章: この世で最も価値がある

27 - a b c d e f g h 31 - a b c d e f g 35 - a b c d e f g h i j
28 - a b c d e f g h i 32 - a b c d e f g h i j 36 - a b c d e f
29 - a b c d e f 33 - a b c d e f g 37 - a b c d e f g h i
30 - a b c d e f g h i 34 - a b c d e f g 38 - a b c d e f g


第四章: 満たされんとして追う

39 - a b c d e f g 44 - a b c d e f g h i j 49 - a b c d e f g h i
40 - a b c d e f 45 - a b c d e f g 50 - a b c d e f g h i j k l
41 - a b c d e f g h i 46 - a b c d e f g h 51 - a b c d e f 
42 - a b c d e f g h i j 47 - a b c d e f g h i j k
43 - a b c d e f g h 48 - a b c d e f g h


第五章: 常しえに安らかなれ

52 - a b c d e f g 57 - a b c d e f g h i j k 62 - a b c d e f g h i j k
53 - a b c d e f g h i 58 - a b c d e f g h i 63 - a b c d e f g h i j
54 - a b c d e f g h i 59 - a b c d e f g 64 - a b c d e f g h
55 - a b c d e f g h i 60 - a b c d e f g h i 65 - a b c d e f g h i j
56 - a b c d e f g h 61 - a b c d e f g h 66 - a b c d


あとがき


[簡易紹介]

地名・組織名 登場人物 サブキャラ

 

[読み返しガイド] 

場所別

おまけ・番外編

拍手御礼01-05 拍手御礼06-10 拍手御礼11-15 拍手御礼16-
Valentine's Day 戦闘スタイルメモ 魔物特性メモ もしも彼女だけでも
2000の想い 100記事記念 200記事記念

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07:23:34 | 目次 | コメント(2) | page top↑
ゆみとミズチ
2029 / 02 / 15 ( Thu )

タイトルからおわかりかと思いますが、爬虫類要素を含みます。
苦手な方はごめんなさい。





「なくなよ。おいらが、ゆみをまもるから」

 どこかで聞いたようなベタな約束を果たしに来たのは、自らを「みずち」だと言い張る謎の少年。

「きみはいつまで居座る気なの」
「ゆみが死ぬまでかなー。だってほっとけねーし」
「……それって、すごく長くない?」

 どこにでもいそうな独身OLと、人間の姿かたちを真似た化け物の、【非】日常ファンタジー……?


第一章:みずちという子
1 - a b c d e f2 - a b c d e f g h i3 - a b c d e
第二章:厄寄せのゆみ
1 - a b c d e2 - a b c d e f3 - a b c d e
第三章:しまわれた幻像
1 - a b c2 - 
3 - 

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07:15:32 | 目次 | コメント(0) | page top↑
リグレファルナ ~鏡双子の金魚~
2029 / 02 / 14 ( Wed )
眩い光に包まれた前後のことを、アイヴォリはよくおぼえていない。
気が付けば恐ろしい出来事のさなかにいた。

そこがどこで、どうやって来たのか、どうすれば帰れるのか、何もわからないままに出逢ったのは――自分と顔がよく似た少女だった。



α. Ivory
    1 2 3 4 5 6

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21:54:41 | 目次 | コメント(0) | page top↑
きみの黒土に沃ぐ赤
2029 / 02 / 13 ( Tue )
(きみのくろつちにそそぐあか)

 あとがき



今夜、夫となる男と初めて顔を合わせる。
明後日、結婚式を挙げる。


そのはずだったが、物事は予定通りに進まず――  

波乱に立ち向かうか、安寧に逃げ戻るか。
選択の刻が迫る。


 零、きみと求める自由  a b
 一、ラピスマトリクスの涙  a b c d e f
 二、咲かせる花   a b c d e f g h
 三、危険な夜 a b c d e f g h i j
 四、予定がない午前 a b c d e f g h
 五、約束をつなぐ午後 a b c d e f

 五と六の合間 abc

 六、決断を迫られ ab c d e f g
 七、善意のかがやき a b c d e f g h
 八、整理と采配 a b c d e f g h
 九、とんぼ返り a b c d e f g 
 十、渦に呑まれるなかれ a b c d e f g h i j k l m

 終、きみと駆けはしる行方 a b c d e f

 人物紹介


【これは聖女ミスリア巡礼紀行と世界観が繋がってますが、独立して読める恋愛ファンタジーです。流血沙汰や狂気、死などのダーク要素が出ますので苦手な方はご注意ください】

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00:00:00 | 目次 | コメント(0) | page top↑
ご無沙汰しててすいまっせん
2018 / 10 / 20 ( Sat )
かろうじて、生きてます。

書きたい気持ちはあるのですがなかなかまとまった時間が取れず(インクトーバーも途切れてしまった)、ていうか職場から帰ってからのルーティンをこなしているともうバテて何も生産する気力がないというか… 週末もひたすら予定入るし…前はどうやってたんだっけ…


ここは自分のブログなので気にせず明かしますけど、実はちいさきヒトを体内培養しています。現状10週間目。吐き気とかなかったわけではないのですが実際吐いたことは今のところないっす。ただし四六時中ねむくて四六時中腹が減りますw そのくせおなかすいたら癇癪起こしたりします(゚∀゚)アヒャ


一日をじっくりかけて仕事しようとか思ってても、そのうちの4時間くらいは眠気と戦うだけで終わってしまうんですよね。コーヒーは控えようと頑張っているのでもー眠い眠い。

来週は家族旅行で、義理の家族とも遊びます。執筆は無理そうだけどインプット頑張りますー。

来月こそ筆のノリを取り戻します! す!

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06:11:28 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
おえかきをがんばる月
2018 / 10 / 12 ( Fri )
オクトーバー。インクトーバー。私のツイッターを見ている人はもうご存知でしょうけど、地味におえかきを楽しんでます。

よかったらみてってね(´∀`*)

https://twitter.com/kino_eudo

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10:55:15 | 余談 | コメント(0) | page top↑
3-1. d
2018 / 10 / 08 ( Mon )
「この時期に田んぼ見ても気持ち悪いんじゃないの。ヘビがうじゃうじゃいるでしょ」
「そデスね。いぱい、います」
「まあラムさんはヘビ怖くないものね。それよりもねえ、ちょっと困ったことになってて」
「大丈夫デスか?」
「あのね……」

 離れているのに、二人の話している内容がよく聴こえた。
 女性の相談は、食物の蓄えが少なくなっていることにあった。ただでさえ毎年領主に年貢を納める量が多いのに、これでは村の皆が食べる分までなくなってしまう。何か心当たりがないか、怪しい動きをした者は見ていないか、そういう話だった。

 なんでも、このラム氏はよく蔵に入り込む小動物の退治を任されるらしい。他に出入りしている人間がいれば、いち早く目にするはずだった。
「わかりまセン。今度から気をつけてみマス」
「いつもありがとうねー」
 人の好い笑顔を浮かべて、女性は踵を返した。彼女を見送りながら、ラムはのんびりと手を振る。
 女性の姿が家屋の陰に消えるのを見届けて、彼はぐるりと身を翻した。

「――ガウロン!」
 ものすごい剣幕だ。大股で坂を駆け上がって来る。
「まだそこにいるんだろう、蛟龍《ガウロン》。出てこい」
 彼が口にしたのは耳慣れない単語だったのに、呼ばれたのだと何故かわかった。

(何語なんだろう)
 先ほどの女性と交わしていたのは間違いなく日本語だった。しかし今話しかけられているのは違う。言葉の意味は何故か理解できるが、音の羅列や抑揚の付け方に、未知の響きがある。
 藪の中から歩み出ると、唯美子は己の目線の低さにぎょっとした。ラムの腰辺りを見上げている程度である。
 そして口を開けば舌から転がり出て来たのは、相手と同じ言語だった。

「なにおまえ、なんかおこってんの」
「それだ。その姿でうろうろするなと言っただろう、過去の鏡像をみているようで気分が悪い。誰かにみつかったらどうするんだ」
 頭のてっぺんをはたかれた。瞬間的に痛かったが、怒りをおぼえることはなかった。

「えー? 弟ができたみたいだっておもえばいいんじゃん。おまえ、末っ子でずっと弟妹がほしかったって言ってたよな」
「そんな無茶な。何百年も年上の弟がいてたまるか。いきなり村人たちに紹介しても、不自然すぎる」

「ラムのいじわるー、懐がせまければココロもせまーい」全くやる気のない罵り言葉を吐きながら、ひと跳びで青年の背中にとりつく。「おいらに、小蛇の姿でいろってゆーんか。タイジされろってかー」
「別にそこまでは。もっとこう、違う動物に化けたらいいじゃないか。小鳥とか」

「でもなー」
 ラムの背中から水田の縁まで飛び降りて、しゃがみ込んだ。
 水面に映っているのは、前歯の欠けた少年。そこを嬉々として指さした。
「でもおいら、おまえのカオ気に入ってるし」
「…………」
 リアクションに困る、と言いたげな苦い表情で、ラムは額に手の平を当てた。
 ようやく唯美子は悟った。

 ――この幻は、記憶だ。
 どういう原理かはわからないが、おそらくナガメの記憶の中に囚われているのだろう。彼の経験した会話、事象をたどっているのだから、唯美子の意思で手足を動かせないのは当然だ。もしかしたら、あの小瓶に細工がされていたのかもしれない。

 そしてもうひとつ。今まで思い付かなかったのがおかしいくらいだ――
 ナガメの少年と青年の姿は、知っている人間をなぞったものだった。それ以外の擬態の精度が著しく落ちるのは、モデルとなった人物がいないからか。
 するとナガメとラムという男性はどういう関係であったのか。自然と気になってくる。

「なーなー、そんなことよりほかにききたいことあんじゃねーの」
 心の内を見透かされ、ラムは大きく嘆息した。
「そういう察しのいいところが全然子供らしくないんだ……蛟龍、やはり蔵の食糧をくすねているのが何なのか知っているのか」
 チッチッチッ、とリズムのきいた舌打ちを返す。

「何、じゃなくて、誰、のまちがいだな。しってるぜ」
「一体誰なんだ!」
 村人の裏切りが信じられないのか、ラムはナガメの細い肩を掴んで声を荒げた。揺さぶられながらも、ナガメはのんきな声で名を答えた。

「あの人がどうして――いや、言わなくていい。僕が直接訊き出す。本人のあずかり知らないところで、交わすような会話じゃないな」
「そーか? いちおー動機も知ってるけど」
「やめておく」
 ラムは弱々しく頭を振って立ち上がった。

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08:37:02 | 小説 | コメント(0) | page top↑
9月に読んだ本まとめ
2018 / 10 / 05 ( Fri )
9月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1042
ナイス数:59

図書館の魔女 第二巻 (講談社文庫)図書館の魔女 第二巻 (講談社文庫)感想
面白かった。節目の巻って感じ。世界説明をされても目が滑った一巻に比べ、今度は話が進みながらの説明だったのですんなり入ってきた。キリヒトは忍者の里の子か何かと思ってたが、まさかそうくるとは…機械的に実行する彼と少年の彼の危ういバランスが、実に好きだ。うん、好きだ。完全な闇の中に二人しかいないとか、手から水を飲むとか、えr…萌えシチュエーションである。ラストシーンの夜がきれい。余談、名前が出て来た時点で死亡フラグかと思ったらいい意味で裏切られた。
読了日:09月24日 著者:高田 大介
燦然のソウルスピナ 1 (プライムノベルス)燦然のソウルスピナ 1 (プライムノベルス)感想
ウェブはかなり序盤で読む手を止めちゃってたので、電子書籍化に際して購読。迫力あるバトルシーンや、縦横無尽に広がる世界がおいしい。力がそこにあるから人は狂うのか、狂った先に力があっただけなのか…。ただひとつ消化しきれなかったのは主人公の恋愛観、複数の女性の間ふらりふらりと心が飛んでるのはこの世界の基準的にアリっぽい(?)けど、囚われの女を救いに行くのに手伝ってくれる女にドギマギして…うーん。そも、シオンとは色恋じゃなく戦友でいてほしかったような気も(複雑)イズマさんが好きなので続きも追っていきたいところ。
読了日:09月19日 著者:蕗字 歩
HUMINT(2) (ヤンマガKCスペシャル)HUMINT(2) (ヤンマガKCスペシャル)感想
一巻に引き続き派手なアクションはもちろん、人間らしい表情とか、必死に生きる人とか、心を打つところ多し。しかしこの二巻に抱いた一番強い感想:こわい
読了日:09月19日 著者:マツリ
夏の庭―The Friends (新潮文庫)夏の庭―The Friends (新潮文庫)感想
これは安易に感想を書けない本。丁寧に、繊細に、心に呼びかけるものがあった。読み終わったら他の人も読めるように手放そうと思ってたけれど、いまちょっと迷うくらいに美しい。文は淡々としているように見えて、そんなことは全くなかった。出会い。思い出。少年たちの成長。よい。
読了日:09月05日 著者:湯本 香樹実

読書メーター

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01:32:51 | 読書 | コメント(0) | page top↑
3-1. c
2018 / 10 / 01 ( Mon )
(なんだろう。織元さんのかな)
 もし大切なものだったら雨に濡れては困るだろう。そっと手の平で包んで、屋内に持っていこうと考える。

 俄かに視界が明るくなった。
 背後の天空を稲妻が駆け抜けたのである。
 遅れてやってきた轟音に驚いて、唯美子は大きく肩を震わせた。小瓶を取り落としてしまうほどに。

 転がりゆく小瓶を急いで追う。瓶は把手がない形であるため、妨げられることなくどんどん先を行った。ひょっとしてこのまま山からも落ちるのではないかと焦る。
 さすがにそんなことにはならなかったが、唯美子の見ている前で、瓶は樹の根元に激突して割れた。

(そんな……)
 落胆を胸に、瓶の残骸を覗き込む。大小さまざまな破片となって砕けてしまい、きれいに繋ぎ合わせて復元するのは難しそうだ。
 幸いにも中身は空っぽで――

 ――空っぽだったのか?
 唯美子の視覚は、立ち上る微かな霧をとらえた。雨粒が地面に弾けてできた霧ではないと断じたのは、色がついているように見えたからだ。
 己のうかつさに気付かずに、破片のひとつを拾い上げる。

「熱ッ」
 指が焼けるようだった。痛みに身じろぎをした一瞬の間に、破片は霧と化した。
 紫色の霧が渦を巻いて濃くなる。
 ――取り込まれる!
 悲鳴ごと、空間から切り取られたような感覚があった。


 次に意識が浮上した時には、肌を細やかに打つ水の感触が消えていた。
 雨が降っていない。それどころか、振り仰げば、多彩な雲が散らばる晴天だった。湿気や気温は秋というよりも春か夏に近いものがある、と唯美子は奇妙に思いながら辺りを見回す。

 そんなに長く意識を失っていたのだろうか。そもそもどうして意識が途切れたのだろうか。
 わけがわからずに一歩、二歩と足を踏み出す。
 眼前を覆い尽くす藪をかき分けると――
 まったく見覚えのない景観が少し坂下にあった。

 見渡す限りの、水田。
 等間隔に植えられた瑞々しい稲を包む水は穏やかで、明瞭に空の模様を映し上げている。時折響く蛙の鳴き声が、いい雰囲気をつくり上げる。
 美しい景色だ。美しいが、感心している場合ではなかった。

(え? え、なんで?)
 一気に混乱がこみ上げてきた。
(ここはどこ? いま何時? なんでわたし……さっきまで茶屋にいたはずじゃ)
 水田はひとりを除いてほぼ無人だった。ひとりの男性が、叫べばかろうじて声が届くような距離にいて、稲の様子を確かめていた。
 三角笠と丈の短い着物を着た青年だ。

(このひとに訊ねてみよう)
 体を動かそうとして、しかしうまくいかなかった。何度試しても、意識して手足を繰ることができない。さっきは歩けたのに、何故――? 
 声も出せない。

 やがて青年がこちらに気付いて、近寄ってきた。そのことが不思議とうれしかった。
 変な気分だ。まごうことなき自分自身の感情と受け入れるほどに自然に沁み込んで、けれども心のどこかで、これが自分の心情ではないことを俯瞰して知っているようだった。
 おかしなことばかりだ。金縛りがとけたのか、藪から飛び出し、青年の元に行こうとした。
 彼が笠を右手の親指でくいっと持ち上げた瞬間、唯美子はふたつの意味で驚いた。

(ナガメ……!?)
 三角錐の笠の下から現れたのは、確かに見知った顔だった。新たに驚いたのは、その表情が怒っていて、或いは不機嫌そうに見えたからだ。ナガメのこのような表情を見るのは初めてだ。
 まるで別人のように、「人間臭い」顔だと思った。

 男性の唇が開きかけるのを認めた。
 かと思えば、視界がぐるんと反転した。気が付けば再び藪の中に戻り、身を隠すようにして、青年の様子を窺っていた。

「ラムさーん!」
 水田の向こうから呼ばわる声がある。女性の声だった。
「ハーイ、いま行きマス!」
 これはまた驚いた。確かにナガメと同じ声帯だったが、使い方がずいぶんと違った。喋るトーンはいくらか高く爽やかで、言葉の節々にぎこちなさが――訛りがあった。

 別人のようではなく、別人なのだ。
 ラムと呼ばれた、ナガメと瓜二つの青年は水田の間のあぜ道を駆け下りて、女性に向かって会釈した。

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07:38:16 | 小説 | コメント(0) | page top↑
3-1. b
2018 / 09 / 20 ( Thu )
「少なくとも必要な齢の過半数は重ねているはずです。水神には、眷属になりたがるモノ、利用したがるニンゲンなど、お呼びでなくても勝手に集まってくるものです。どんなにうまく隠しているつもりでも、必ず誰かが気付きます」
 織元の言を追うように、橙色の葉っぱがどこからかひらひらと舞い降りる。何気なく目で追っていたら、織元の長い指がぱしっとそれを捕らえてみせた。そのまま口元を覆い隠す。一瞬、葉を食べる気なのかと思った。

「掛かり合いたいと願いますか。あなたは人の身ひとつで、畏敬すべき異形に、つながりを持ち続けてもいいのですか」
 遠回しに何を訊かれているのか、察しがついた。安易に頷かずに、唯美子はゆっくりと返事を組み立てる。
「わたしは、ミズチと関わり続けていたいです。でも、彼以外の未知の脅威と向き合えるかは自信がありません。そのためにあなたを訪問しました。わたしの……体質? をどうにかしてもらいたくて」

 みなまで言わずとも祖母の師たる彼は知っているのだろう。ナガメも事前に話を通していると言った。
 果たして、織元は朱に彩られた瞳を思慮深げに細めた。それから木の葉を口元から取り除いて、薄い唇を開く。ひとつはっきりさせたいのですが、と切り出した。

「どうにかする、とは、あの者との思い出を再び忘却の彼方へ追いやることと同義です」
 衝撃だった。期待した答えではなかった。身を乗り出して、抗議する。
「そんな! 改めて相談しに来たくらいだから、おばあちゃんのかけた術とは違う、ほかのやり方があるものかと」
「ええ、この機に改めて検討しました。結論は同じでした。あなたの我々への『認識』が封印をほころばせる。ではミズチにニンゲンのふりを徹底してもらって、あなたからも我々への認識を引き抜くのは、どうか」
 唯美子をも欺き、人ならざるものであることを隠すなら――

「そう考えましたが、いま一度不可視の術をかけたとしても、あの者の残り香がうつってしまえば隠れ蓑は消滅します。解決たりえないでしょう」
「香りって、あの水の匂いみたいな……?」
「匂いと表現するのがもっとも近いだけで、嗅覚が感じ取れるそれとは別です。枠に収まらぬモノを察知する、直感のようなものと言いましょうか。あなたの、そう――我々の瞳がときおり光って見えるのは、そういう直感の表れです」

 織元は次々と仮定を積み上げていった。
 いっそのこと、ミズチ自身にも「己はニンゲンだ」と思い込ませる催眠と、彼にも不可視の術をかけてはどうか。それも厳しい。ほかの問題点をなんとかごまかせても、擬態に過ぎない体への違和感から自覚が芽生えてしまい、催眠は長くもたないだろう。

「それ以前に、あの子はそんな仕打ちに納得しませんよね」
 おや、と織元は唯美子の反論に目を瞬かせた。
「お気遣いなく。あの者からは、あなたの望む通りにするようにと言われています。極端な方法を用いても、承服するでしょう。けれど私の見解では、やはり記憶を消して、接触を断つ以上にうまいやり方はないかと」

「ミズチはこのことを」
「最初から全部、理解した上であなたをここに連れてきています」
 ――どうして話してくれないの。
 詰問すべき相手はこの場におらず、唯美子はやるせない気持ちを視線に込めて織元にぶつけることしかできなかった。それを受けた正面の彼は、不思議そうな表情で長い髪を結っている。

 彼らの性質、だろうか。
 ナガメが自由気ままに過ごしているのはいつものことで、悪く言えば自分勝手な性格だが、大事なことは話し合ってから決めると思っていた。その前提はしかし、友人や家族同士でも成り立たない場合は多い。どうして、頼まなくても彼がそうしてくれると思い込んだのだろうか。
 この関係はそもそも、いったい何であるのだろうか。

「こちら側からの厄にも立ち向かう覚悟で、我々と関わり続けてもかまいません。あまりお勧めできませんが。あなたはヒヨリ嬢の才能を引き継いでいませんし、また、見たところ『攻撃性』に欠けているようです。たとえば法術の修行をしてみても、実際に誰かに術を向けられるとは思えません」
「攻撃性……」
 男性の物腰は柔らかいが、歯にものを着せない言い方をする。曖昧な表現や嘘をつかれるよりはずっといい。妙な感慨を受けた。
「それが悪いこととは言いません。他者を傷つけられないのが、ユミコ嬢の特性であり長所なのですよ」
 ありがとうございます、と小さく点頭すると、織元は優しく微笑んだ。

「失礼。どうぞくつろいでいてください」
「はい」
 話し込んでいた間に、山道をゆったりと登る人影が現れていた。三人の高齢の女性客だ。織元は颯爽と彼女らの傍らに馳せ参じて、足の悪そうなひとりに手を差し伸べた。親しげに話すあたり、常連客のようだ。

 だが不運なことに、彼女らの到着と同時に小雨が降り出した。織元が客を小屋の中に案内する間、せめて使っていた茶器を片付けようと唯美子が立ち上がる。
(あれ?)
 急須に隠れて死角にあったのだろうか、その時になって初めて、古そうな小瓶が目に入った。



更新遅れました。いきてます/(^o^)\

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22:37:56 | 小説 | コメント(0) | page top↑
3-1. a
2018 / 09 / 10 ( Mon )
 山奥の茶屋から日没を眺めていた。向かいの席には大層うつくしい男性、その横顔は、暮れ行く太陽の最後の熱気を受け取るかのように赤く染まっている。
 映画のワンシーンのような光景――それに、唯美子は見惚れるよりも落ち着かなさをおぼえていた。

 肩よりも長い黒髪と目の上にひいた朱色が印象的な男性は、逆に肌が陶磁器のように白かった。彫りが深く端正な顔の中にある黒目は意外に大きく、丸みを帯びていて、可愛らしいと言えなくもない。

 自らを織元と名乗った男性は銀鼠の着物を着こなし、湯飲みを片手でもてあそびながら頬杖をついている。深い物思いの最中なのかわからなくて、唯美子は声をかけづらい。そもそも共通の話題と言えば、彼を狸野郎と呼ぶナガメだけだ。

 当のナガメはこの場にいない。茶屋に着くなり、織元に「近くの温泉からバケモノ払いの依頼が入っています。即刻行ってきてください」と送り出されたのである。しかも出るのは女湯らしく、ナガメはご丁寧に若い女子の擬態をしてから出発した。

「ユミコ嬢」
「え、あ、はい」
 にわかな呼びかけに狼狽する。
「お茶のおかわりはいかがですか」
 滑らかな声だ。はちみつの海をたゆたうような、撫でられる猫が出す声のような。男性が微笑むと、大きな目がやさしく細められた。ドギマギせずにはいられない。

「じゃあ、いただきます」
「ええどうぞ」
 織元はふわりと腰を上げ、優雅な仕草で急須を傾けた。湯気と共に、ほうじ茶の芳醇な香りが鼻孔を通り上がる。
 再び席に腰かけて、織元は破顔した。

「やはり、ヒヨリ嬢の若い頃の面影がありますね。こうしてお会いできてうれしいですよ」
「私もおばあちゃんが師事した人に会えて、うれしいです」
 そう返せば、彼はくすくすと上品に笑った。そういえば彼は人ではないのかもしれないと唯美子は遅れて気が付いた。
「型だけです。もともと才能のある娘でしたので、基本だけ教えたらあっという間に伸びたものです」

「そうでしたか」
「時にユミコ嬢、ミズチはどうです。迷惑をかけられてはいませんか」
 話題を変えた途端、織元の柔らかい雰囲気も一変し、わずらわしいものを思い浮かべる顔になった。
「迷惑だなんてそんな。いつも助けられてます」
 唯美子は両手を振って否定するが、織元は胡乱げに応じる。

「本当に? あの者は長く生きていながら他者とあまり関わってこなかった弊害で、気配りなどまったくできませんし。何かあったら遠慮なく相談してくださいね」
 そう言って彼はスマートフォンを取り出して番号交換を促した。この浮世離れした山奥の茶店の主人は、見た目に反して現代的であった。電波が届くのも驚きだ。
 連絡先をお互いに登録すると、唯美子はひとつ訊ねた。

「ミズチとは知り合って長いんですか」
「あの者がこの国に来てしばらく経ってからですね。百五十は超えますが、おそらく、二百年に満たないかと」
 唯美子が無言で驚愕している間、織元は茶をのんびりとすすった。

「そんなに経ってるんですか。あれ、彼は自分のことを五百年とちょっとを生きてるって言ってたから……何歳くらいで日本に来たことに……?」
 織元は意外そうに眉を吊り上げた。
「五百? ああ、あの者はサバをよんでいますよ」
「えっ、どっちにですか」

「実際に生きた年数はもっと多いはずです。大雑把さゆえにおぼえていないだけとも考えられますが、私の推測では、別の理由があるように思います」
 ふう、と織元は湯飲みの縁に息を吹きかけた。数秒の沈黙の後、話を続けてくれる。
「千五百年を生きた水蛇はおのずと龍に昇格します。そのことを周りに感付かれれば面倒だからと、なるべくごまかそうとしているのかと」

「龍に……」
 例によって実感の沸かない話だった。
 いわく、水蛇は五百年で蛟に、さらに五百年経て龍になれるらしい。そこから五百年、また千年生きればより上の階級に進めると言うが、いずれも龍神である。蛟とは龍神の幼体なのだ。


こいつらいつもお茶のんでんな…( ^^) _旦~~

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08:22:28 | 小説 | コメント(0) | page top↑
α.6.
2018 / 09 / 09 ( Sun )
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 昔々、創造の女神が遥か大きな岩を顕現させた。
 その表面を叩いてできたヒビや溝を塩水で満たし、大地と海をつくりたもうた。楽しくなり、踊り狂った女神の足が触れた箇所を中心に、動植物の実りをゆるす三つの大陸が出来上がった。
 それぞれの大陸の間には海と荒野と容易には超えられない山脈が残った。
 大地にはさまざまな命が芽吹き、人が誕生し、文明や魔法が生まれた。人類は見事に栄えてみせた。
 だがいつからだろうか、文明が行き詰まった。大陸のひとつは激しすぎる戦禍に、草も生えない不毛の土地に成り果てたのである。
 あとの二つの大陸も同じ末路をたどるのではないかと危惧した女神が、ある策を立てた。御身から切り離した精《エーテル》を金魚の形に替え、残る二つの大陸に送り込んだのだ。金魚の精は自らの器たりえる魂を探し出し、その肉体にとりついた。
 金魚たちは、鏡を通したように姿が似ていながら異なる性質の人間を選び、ふたりが出会えるように特殊な方法で道をつないだという。
 金魚の器たちは紆余曲折を経て相手とわかりあい、双方の大陸が手を取り合えるように計らった。それは、ふたりにしかできないことだった。
 人の世はこうして生き永らえた。
 後の世の者はこのことをおぼえていなければならない。リグレファルナの伝説は、教訓である――。

     *

 アイヴォリが知っている限りを語り尽くしても、アイリスとカジオンは「意味不明」「お子様向け」と言って真に受けなかった。運命の乙女だとか世界の流れを変える金魚だとか、そんな眉唾物が自分と関係あるはずがないと、アイリスは頑なに聞き耳を持たない。
(私も半信半疑ではあるかな)
 内容もうろ覚えだ。伝説の中の金魚に憑かれた御使いたちは、強い意思と輝かんばかりのカリスマ性や求心力を持っていたように思う。どれほど甘く見積もっても、自分に到底務まるような使命ではないだろう。
「お父様、お母様。私は生きるだけで精一杯なのに、世界の為に何ができるかしら」
 胸元を見下ろしてひとりごちる。
「セカイとかあんたまだそんなこと言ってんの」
「ひゃあ!」
 背後から声をかけられ、アイヴォリは地面から足の裏が飛び上がるほどに驚いた。声の主は普通にアイリスだったが、今この場にいることの方が意外だった。
「あの、どうしてここに」
 急を要する用事があるのだろうかと身構える。
「あんたが体拭くだけにすっごく時間かかってるなって思ってきてみたんでしょ。まだモタモタと服脱いでたとはね」
「もたもた……」
「さっすがはお貴族サマね、自分で着替えたことないんじゃないのってくらい手際悪いわ」
「うう、そんなこと……肌着とか、自分で着れるとこもある、よ」
 一方で口と同時にアイリスの手がせわしなく動いていた。見ているこちらが混乱しそうなほどだ。彼女はチュニックを脱ぎ捨てるのではなく結び紐のみを解き、襟元を広げて腕や肩をあらわにした。
 ――なるほど、そうやればいいのか!
 アイヴォリが目をみはっている間にアイリスは桶の縁にかかっていた手ぬぐいを取って水に濡らし、顔や首、肩や胸元をさっさと拭ってみせた。右手から左手に手ぬぐいを持ち替えてからも流れるような手際の良さだ。
「なにぼーっとしてんのよ。手伝ってあげようか?」
 願ってもない申し出に、アイヴォリは消え入るような声で「おねがいします」と応じる。請け負うアイリスの笑顔は朗らかそのもので、まるで嫌味がない。それどころか城の召使いの女性らよりもはるかに快く感じる。
 アイリスがすぐ後ろに立った。
「手のかかる妹みたいで面白いわー。ね、アイヴォリってきょうだいいる?」
 背骨に沿って上下に並んだボタンが、ひとつずつ外れていくのを感じる。
「いないわ」
「そか。うちは一応カジが年上だけど、兄っつーより弟みたいな時もあるし、なんだかね」
「ふたりに血のつながりはないんだよね」
 ここぞとばかりに、気になっていた事項を確認した。
 触れてはいけないことを訊いているかもしれないという可能性は視野になかった。そしてどのみちその心配は無用だった。アイリスはよどみなく、平然と答える。
「ないわよー。あたしらは同じ孤児院にいてね、そこがある時ヘンないちゃもんつけに来た奴に取り壊されちゃって。行き場を失くした者同士、一緒に逃げたの」
 衝撃的な事実がこともなげに羅列される。
 肩から衣服がすでにはだけている現状、羞恥心も忘れ、アイヴォリは自分と顔立ちだけ似た少女を振り返って口をパクパクさせた。
「むごい……どうして」
「政治的? な理由があったんじゃないかって誰かが言ってたわ。そーゆーのあたしらにはどーでもいいし。考えても無駄ムダ。下手人はとっくに掴まって処刑されたわ」
「つらく、なかったの……?」
「つらくないわけないでしょーが」後ろ肩をはたかれた。思わぬ衝撃に、背を逸らせる。「でもただ絶望して終わるのは悔しいじゃない。そこまでしてあたしらを消そうとしたヤツらがいたんなら、何が何でも生き延びてやらないと。それが、あたしたちなりの復讐よ」
 復讐という言葉の響きに背筋がゾッとした。アイリスは表情こそ笑っていたが、橙色寄りの赤い双眸が昏く冷たかった。
「そんな大昔の話より、ついこの前、村をつぶした奴らにこそ報復したい気がしないでもないけど。目下、あんたの身柄をどうにかする方が先かな」
「……ありがとう」
「いいってことよ。じゃあ今度はこっちから質問――」アイリスの指先が、アイヴォリの首元をなぞり、鎖骨を伝って、胸元に流れた。くすぐったさに身じろぎする。「あんたさあ、こんなとこに、宝石? 埋め込んでんの」
 ヒュッと息を呑み込んだ。
 確かにアイヴォリの胸元には、表面が滑らかな大きな水晶が埋め込まれている。長年そうしてあったため、肌とひとつ繋ぎに見えるくらいになじんでいた。透き通った柘榴色の奥には、模様のような一文字が浮かんでいる。
 別段、隠さねばならない代物ではないのだが、理由を説明するのが恥ずかしい。けれども興味津々なアイリスをうまくあしらう方法が思い付かず、結局白状した。
「これは魔法を制御する道具。普通は装飾品にして身に着けるものなんだけど、私は体に触れているくらいじゃないと魔力が……すぐ暴走しちゃうから」
 語尾に向かって声が消え入ってしまった。
 元素魔法は、使い手の意思に連動する。制御がきかないのは、つまりアイヴォリ自身の心の未熟さに由来するのだ。自覚あるものの、出会って間もない相手に語るのは気が引ける。
 ところがアイリスの反応は、違う意味でアイヴォリをうずくまらせることになった。
「あそっか、あんた魔法が使えるのね!? 忘れてたわ! 見たいみたい、超みたい!」
 自分とよく似た顔が目を輝かせて迫ってくる。
 アイヴォリは悲鳴を上げて後退した。
 それから騒ぎを聞きつけたカジオンが「おいどーしたよ」と様子を見に来そうになり、アイヴォリはますます狼狽した。こんな姿を異性に晒せるはずがない。
 だと言うのに、アイリスは半裸のままで「なんでもない! 来んな」と怒鳴ってみせた。
 そういうところは兄妹ゆえの距離感だろうか。
 兄弟がいたことのないアイヴォリには、まったく理解ができなかった。



本当はアイリスが全裸で夜盗とやりあう場面も考えてたのですが、没w

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05:06:39 | 小説 | コメント(0) | page top↑
8月はあんまり読みおわったものがないのだけど一応まとめ
2018 / 09 / 05 ( Wed )
8月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:912
ナイス数:33

クマとたぬきクマとたぬき感想
かわいい…ほっこり…さいこう……いきるってすばらしい…すばらしい…。ツイッターで前からたまに読んでたのを単行本化に気付くのに遅れた不覚。これは一生大事に読み返して、人にも貸してあげたいレベルのよさです。ありがとう。
読了日:08月30日 著者:
マグメル深海水族館 2 (BUNCH COMICS)マグメル深海水族館 2 (BUNCH COMICS)感想
新キャラが増えて既存キャラも掘り下げられて、ますます面白い。嵐くんの話、同年代で、立場が違うけど道が交差する友達っていいよね。いつも作中は深海水族館にいるだけに、今回けっこうあった地上描写が新鮮。
読了日:08月10日 著者:椙下聖海
マグメル深海水族館 1 (BUNCH COMICS)マグメル深海水族館 1 (BUNCH COMICS)感想
くらげバンチで読んだときよりも絵がきれい! 話が面白い! キャラに愛着沸いた表情がとてもいい! 動物すごい! 目が離せない! ただしあっという間に読んでしまい、四話のみの収録であることに少々不満を感じたので★4
読了日:08月09日 著者:椙下 聖海
図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)感想
ファンタジーを探してた時に目に入って、試し読みの冒頭部分が性に合ったからの衝動買い。もとは上下巻だったのを四分冊したからか、終わり方にやや唐突感。でも下手に危険を出すより「世界が広がった」というイメージに好感。概念の説明や掛け合いがすらすら読めて面白いのに対し、状況描写がテンポ悪く感じてなかなか進められなかった部分もあったが、新しい指話で距離が縮んだり地下探検したりと、ボーイミーツガールの質は高い。マツリカキリヒトの肉体的生命力の対比が好き。続きに期待。
読了日:08月08日 著者:高田 大介

読書メーター

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23:07:18 | 読書 | コメント(0) | page top↑
華ドラといえば
2018 / 08 / 29 ( Wed )
Dramafeverのアカウント前にも作ったっけーっとなってメール検索したら、なんと今は亡き姉に「Ice fantasy - 幻城」というものを2016年に勧められたことを思い出しました。

数年遅れに観て何になるのかって話ですが、ちょっと不思議な気分なので、ウォッチリストに追加しておきました。姉ちゃんも一緒に観ようぜ~

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10:37:45 | 余談 | コメント(0) | page top↑
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