はじめに読んでください
2030 / 12 / 17 ( Tue )
こんにちは。はじめまして。
甲(きのえ)といいます。

かつてまだ厨二病が癒えなかった頃、サイトを立ち上げて創作小説を公開していました。
あれからだいぶ経ち、諸々の事情あってサイトは長らく放置してきました。

今回ブログを作ってみたのは、ちまちま小説を書いていくには管理しやすく適していそうだなと考えたからです。

たまったら校正し、サイトのほうで載せなおしてみようかと思います。


<http://nanatsukai.lv9.org> 


少しでも楽しんでいただけると幸いです。


*******

「聖女ミスリア巡礼紀行」について。

この話自体は私の中ではこれでも新しい方ですが、何度か練り直してるうちに結構いい感じに世界観が発達してきたので、他の古い話よりも今書きたいと思いました。

アクションやら化け物やら組織やらいろいろ出ますが、元は単なる「旅する男女」を書きたくて練った話です。あまり深く考えすぎないでそこをがんばります。

なお、極端な表現は抑えますが、多少の残虐非道な行為・発言または性的描写は含むかもしれませんので、15歳未満の方は閲覧を遠慮してください。なるべく誰も不快にさせないよう極力気をつけます。

最後に、作中に主張される信念や思想は私の脳から出たものであってもすべてを私が支持しているわけではありません。あくまでフィクションです。


*******

初めていらっしゃるお客様はまずサイトの方のインターフェイスを試しに見て行ってください。本編は長いので最初はブログよりもサイト(または小説家になろう、カクヨムでも同タイトル同名義で掲載しています)で見た方が読みやすいと思います。ブログで読む方は下の目次記事へどうぞ。

一節ずつが長すぎて読みにくくならないように、数字のあとに小文字でabcとつけて整理しています。本編はどの記事も大体5分以内で読めるでしょう。

*閲覧推奨ブラウザ: Firefox, Google Chrome (なぜかテンプレがIEと相性悪いようです)

感想はコメント・拍手でも何でもどんと来いです お待ちしてます(・∀・)


ではよろしくお願いします!




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23:59:59 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
本編目次
2030 / 12 / 17 ( Tue )

混沌に満ちた架空の大陸を舞台にした長編ダーク・ハイファンタジーです。
世界を救うために旅立ってますが、
その実主人公たちは別の何かを 探しているのかもしれません。

ここは目次ページです。初めての方ははじめにの記事へどうぞ。



第一章: 行路を織り成す選択の連なり

01 06 - a b c d e f g 11 - a b c d e f g h
02 - a b c d e f 07 - a b c d e f 12 - a b c d e f g h i j k
03 - a b c d e f g h 08 - a b c d e f g h 13 - a b c d e f
04 - a b c d e 09 - a b c d e 14 - a b c d e f g h i j
05 - a b c d e f 10 - a b c d e f g h i j  


第二章: 聖地を巡る意味

15 - a b c d e f g h i j 19 - a b c d e f 23 - a b c d e f g
16 - a b c d e f g 20 - a b c d e f g h i 24 - a b c d e f g
17 - a b c d e f g h 21 - a b c d e f g h i 25 - a b c d e f
18 - a b c d e f g h i j 22 - a b c d e f g 26 - a b c d e f g h i j k


第三章: この世で最も価値がある

27 - a b c d e f g h 31 - a b c d e f g 35 - a b c d e f g h i j
28 - a b c d e f g h i 32 - a b c d e f g h i j 36 - a b c d e f
29 - a b c d e f 33 - a b c d e f g 37 - a b c d e f g h i
30 - a b c d e f g h i 34 - a b c d e f g 38 - a b c d e f g


第四章: 満たされんとして追う

39 - a b c d e f g 44 - a b c d e f g h i j 49 - a b c d e f g h i
40 - a b c d e f 45 - a b c d e f g 50 - a b c d e f g h i j k l
41 - a b c d e f g h i 46 - a b c d e f g h 51 - a b c d e f 
42 - a b c d e f g h i j 47 - a b c d e f g h i j k
43 - a b c d e f g h 48 - a b c d e f g h


第五章: 常しえに安らかなれ

52 - a b c d e f g 57 - a b c d e f g h i j k 62 - a b c d e f g h i j k
53 - a b c d e f g h i 58 - a b c d e f g h i 63 - a b c d e f g h i j
54 - a b c d e f g h i 59 - a b c d e f g 64 - a b c d e f g h
55 - a b c d e f g h i 60 - a b c d e f g h i 65 - a b c d e f g h i j
56 - a b c d e f g h 61 - a b c d e f g h 66 - a b c d


あとがき


[簡易紹介]

地名・組織名 登場人物 サブキャラ

 

[読み返しガイド] 

場所別

おまけ・番外編

拍手御礼01-05 拍手御礼06-10 拍手御礼11-15 拍手御礼16-
Valentine's Day 戦闘スタイルメモ 魔物特性メモ もしも彼女だけでも
2000の想い 100記事記念 200記事記念

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07:23:34 | 目次 | コメント(2) | page top↑
きみの黒土に沃ぐ赤
2030 / 12 / 14 ( Sat )
(きみのくろつちにそそぐあか)

*1月7日からしばらくの間、非公開にする予定です。再公開がいつになるかは不明です。
ご注意ください。

 アルファポリス版



今夜、夫となる男と初めて顔を合わせる。
明後日、結婚式を挙げる。


そのはずだったが、物事は予定通りに進まず――  

波乱に立ち向かうか、安寧に逃げ戻るか。
選択の刻が迫る。


 零、きみと求める自由  a b

 一、ラピスマトリクスの涙  a b c d e f
 二、咲かせる花   a b c d e f g h
 三、危険な夜 a b c d e f g h i j
 四、予定がない午前 a b c d e f g h
 五、約束をつなぐ午後 a b c d e f

 五と六の合間 a b c

 六、決断を迫られ a b c d e f g
 七、善意のかがやき a b c d e f g h
 八、整理と采配 a b c d e f g h
 九、とんぼ返り a b c d e f g
 十、渦に呑まれるなかれ a b c d e f g h i j k l m

 終、きみと駆けはしる行方 a b c d e f

 人物紹介


【これは聖女ミスリア巡礼紀行と世界観が繋がってますが、独立して読める恋愛ファンタジーです。流血沙汰や狂気、死などのダーク要素が出ますので苦手な方はご注意ください】

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00:00:00 | 黒赤 | コメント(0) | page top↑
記憶力が
2017 / 12 / 08 ( Fri )
あーーー 昨日なんっか忘れてるなあと思ったら。

黒赤の全テキストファイルをサイトにうpるのを忘れていたよ…今晩こそ…!


完結してからまだ一週間ちょいか。来週にでもなれば、きっと改稿する気合が…出てるといいなw クリスマスは例によって親が泊まりに来るので、二週間ほどおもてなしするのだ。


あとは。
「御簾ごしの姫」、未読の方はぜひチェックしてくださいね。

お絵かきしたいものが脳内に潜んでいるのでそろそろ出してやりたいところですねー( ´艸`)

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23:18:58 | 余談 | コメント(0) | page top↑
もうすぐ6周年になりますが
2017 / 12 / 07 ( Thu )
いまさら? ブログをちょびっとリニューアル? しています。

  • 広告消し (今まで苦労して読んでくださってた皆様、すみません&ありがとう! これからはらくらく読めるよ! 読み返しもできるよ!)
  • スマホテンプレ適用 (どうでしょうか)
ところで記事を書くときのデフォルトカテゴリ設定をどうやって変えるのかが思い出せません。あうあう。


とまあ、なんだかくっそ寒くなっているこの頃ですが、セーターを活躍できるのはいいことです。

明日までに「御簾ごしの姫」を完結させる予定です。やばいです。

メインの長編連載がなくなった分、前から抱えていたいろんな案に妄想時間を割くことができて、非常に楽しいですね。「たえよいつか」の続編とかな~。未完のまま10年は放置してきたOth-Dもなんとかしたいよなー。

もちろん藻と即興とミスリア世界の番外編も気が向くままに投下します。

今年も残りわずかですが、頑張っていきまっしょい!

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00:49:23 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
新作投稿
2017 / 12 / 05 ( Tue )
https://ncode.syosetu.com/n6901ek/

間があくかなと思ったけど案外そんなことはなく、気が付けばなんか書いてました。
全四話完結の予定です。謎恋愛。お付き合いいただけると幸いです。

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03:33:41 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
拍手返信12-2
2017 / 12 / 03 ( Sun )
@ナルハシさん

読了&温かいコメントありがとうございます!

>イチャイチャしだすと敬語になる

たぶんセリカが恥ずかしくなって敬語でお茶を濁そうとして、エランがそれにノる感じですねw 机を叩いていただけて光栄です。

口に出して遠慮が無いのは性格半分、最初は相手のことがどうでもいい半分でしょうか。どうでもよくなくなると今度は気遣うようになって、出逢って間もない他人だから歩み寄り方がよくわからなくて……はい、結婚してからはきっと遠慮がなくなりますね。


>登場人物の名前が覚えられなかった

馴染みない音の羅列オンパレード…! 長いですしね/(^o^)\
リズミカルな滝神の名前とはまた違った感じでしたね。よくぞ生き延びてくださいました。


完走お疲れさまです!
当面は、ダグラス湖(とツイッター)でお会いしましょう!

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08:03:30 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
黒赤 あとがき
2017 / 12 / 02 ( Sat )
あとがきになります。
読み終わった方は続きからどうぞ!




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続きを読む

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04:03:57 | 挨拶 | コメント(0) | page top↑
終 - f.
2017 / 12 / 01 ( Fri )
「おい! この状況で眠れるか、普通。とんでもないな」
 起き抜けに呆れた声が耳に入った。セリカは、寝ぼけ眼を瞬かせる。
「どうしたの?」
「どうしたのじゃない。馬の上で寝るな、危ない。何度言えばわかる」

 初めて会った時と同様の風変わりな格好をしたエランが、責めるような目で振り返る。筒型の帽子やボタンの多い詰襟の黒いチュニック、半袖の羽織り物。ヌンディーク公国に多少は慣れてきた今だからこそわかる、この服装は特異なものだ。
 聞けば、ルシャンフ領の先住民族から贈られたものだという。動きやすくて楽だからと彼は宮殿の外ではこちらを好んで着るらしい。

「だって眠くなるのよ……。いいじゃない、一応つかまってたでしょ」
 手首を布で結び合わせるという、保険はかけてあった。セリカは馬の手綱を持ったエランの後ろに乗って、振り落されないようにその腰につかまっていた。
 荷物はあまり多くない。後ろを走る荷馬車に必需品を積んである。二人で先行したいと言い出したのはエランで、その為に身を軽くした。
 現在、馬は速歩(はやあし)で野を横切っていた。やや遅れて、タバンヌスも続いている。
 エランは大げさにため息を吐いた。

「それより、もうすぐ着く。上を見てみろ」
「うえ?」
 言われた通りに上空を振り仰ぐ。
 時を同じくして、清々しい風が吹き抜けた。春が夏と出会うまでもう少しと言ったところの、暖かい風が袖口を撫でる。

 呼吸を奪われた。そう感じるほどの絶景であった。
 抜けるような青空を見上げたのは、いつぶりだっただろうか。遠くでは、絹を思わせる柔らかそうな白雲が並んでいる。
「空に落ちたら飲み込まれそう」
 自分でも変な感想だと思う。深く息を吸い込んでみると、肺は優しい夏の香りに満たされていった。

「まだ驚くのは早い。下も見てみろ」
 セリカは首を戻した。
 若葉色の地平線が、群青を受け止める。大草原が視界を占領していった。
 際限なく美しい眺めだ。奥に向かってなだらかな丘陵が展開しており、そこまですっきりと見渡せるほどに、平地が広々としている。

 後ろを振り返っても同じだった。いつの間にか森が途切れていたのだ。まばらな常緑樹だけが残っている。
 進行方向には木という木の姿はほとんどなく、あるのは草花と――白くて丸い人工物。てっぺんだけが尖っている。

「あの円柱、何?」
 指を指すと、形は指の爪ほどの大きさもないように見えた。いかに遠くにあるかを実感する。
「移動式住居だ。ルシャンフ領の民は冬は山や谷の近くに定住するが、暖かい間は放牧しながら天幕に寝泊りする」
 なるほど目を凝らしてみれば、住居の影に羊が見えた気がした。

「あたしたちも?」
「当然」
「遊牧民って排外的だって聞いたけど」
 泊めてもらえるだろうか。近くで天幕を張ることすら嫌がられるのでは、との疑念を込めて指摘する。

「一概にそうとも言えない。まあ私は、受け入れてもらえるまでに色々とやらされたな」
 そう言った青年の横顔には、領主の余裕みたいなものが感じられた。果たして領民はどんな人たちなのだろう。
「色々って何よ」
「それは後で話そう。酒でも入れないと、語る気になれない」
「えー。どんだけ恥ずかしい思い出なのよ」
 エランは誤魔化すように笑って、取り合わない。馬の走行を調整しているようだ。

「駆けるぞ。ちゃんと掴まってろ」
「うん」
 限界までに密着した。首筋と髪に顔を近付けると、もはや慣れつつある香油の匂いがした。夫の、とても安心する匂いだ。
 のびやかな風が草花を揺らす。目の前で黄色い蝶が二匹、ひらひらと舞っていた。
 掛け声と共に、エランが馬の腹を蹴った。

 ――穏やかな昼下がりだった。
 そんな世界を、息苦しいほどの速さで駆け抜ける。
 景色が勢いよく通り過ぎていった。胸が高鳴る。この手応え、爽快、としか評せない。

 ――ああ、ほんとうだ。あたしの知らなかった「自由」がある。

 約束がひとつ果たされた。それゆえに、溢れんばかりの幸せに浸る。
 これからいくつ約束を繋ぎ、そして果たしていくのか――楽しみだ。
 咳き込んだ。空気の流れが速すぎて、肌から熱がさらわれている。余計なことを一切考えられなくなる。余計なことを取り除くと、後には鮮烈な想いが残った。

「エラン! ありがとう! すっごくたのしい!」
 叫んだ。唾が少量、風に乗って消えていく。
「よかった! けど、まだこれからだ! セリカを楽しませるのは私の役目で歓びだ!」
 わかっている。が、これ以上喋ったら舌を噛みそうだったので、相槌を打つのは断念した。

 ――わかってる。あたしたちは二人でひとつの魂だから。

 きっと二人でなら、悲しいこと辛いことは分かち合うことができて、そのぶん楽しい遊びは倍楽しくなること、間違いなしである。
 面白そうだ。面白い人生に、これからなりそうだ――。





<了>



ちょっとこれからホットヨガ行くのであとがきはまた後ほどにw

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21:19:10 | 黒赤 | コメント(0) | page top↑
終 - e.
2017 / 11 / 30 ( Thu )
ここまで来ていまさら回れ右したい人がいるかは謎ですがw 
それなりにいちゃつきます。苦手な方はご注意ください。



「任せなさい」
 嫌なことがある分だけ、優しくしてあげよう。半年ばかり年下の夫を見下ろして、そう決意する。
 当人は気持ちよさそうに目を閉じている。
(幸せそうな顔しちゃって、もう)
 ――満たされる。
 この感覚は何だろうとセリカは不思議に思った。胸が膨らんだようだ。誰かが嬉しそうにしているのを、こうも感化されて喜んだのは初めてだ。

「なら私は、お前に何をしてやればいい」
「え。元気にしてくれれば、十分だけど」
「それ以外で頼む。もっと欲を出せ」
「だってねえ……遊び相手になって、はもう言ったし、構って、も言ったわよ。対等に接してくださいとか? あ」
 エランはぐりっと首を巡らせてこちらを見上げた。変な感じがした。できればあまり動かないでほしい。
 窮屈だったのかなと思って、手を放す。

「笛、また聞かせてほしいな」
「わかった。約束する。今は取り込んでいて無理だが」
 むくりと彼は上体を起こした。
 別に今じゃなくても、と言いかけたところでふいに唇を塞がれた。

(この男! 取り込んでるって、そういう意味)
 脳内で悪態をつけたのはそこまでだ。瞼を下ろすと気分が良かった。たとえるなら、まろやかなぬるま湯に浸かっている風だ。
 もっとこうしていたい。ところが、ほどなくして温もりが口元から離れた。名残惜しそうに目で追うと、今度は頬に、耳に、首筋に、肩に、胸元に、口付けが落とされる。

「……や」
 触れられた箇所が火照る。何かにしがみついていたかった。エランの左上腕を掴むと、ただでさえ緩かったローブがずれて、肩が露になる。色素の濃い点があった。
 セリカは謎の衝動に駆られて、はむっと唇を付けた。ぱくついて、世にいう甘噛みに転じる。なんとも満足のいく歯ごたえであった。
 青灰色の瞳が自身の肩口に向かった。エランは特に何も言わないし、止めない。

「あんたこんなとこにほくろあったんだね」
 気が済んだら、放してやった。
「お前は顔に小さいのが結構あるな」
「鼻の横とか頬骨の周りにいくつかね。みっともないから白粉で隠してなさいってお母さんは言うんだけど」
「そうか? 味があって、私は好きだな」
 好きと言われるとそわそわする。セリカは目線を逸らして自身の髪をひと房、指に巻いた。

「ありがと。隠すと言えばこの髪、この国では一生隠して過ごすのかぁ。自慢の赤なのにな」
 エランは答える代わりに髪に顔を近付けた。ジャリ、と微かな音がする。
「こら。食べ物じゃないわよ。そりゃああんたは、さくらんぼみたいな色だって最初に言ったけど」
「……独り占めできるから、私はこれでいい」
 見上げる瞳は湿っぽく煌く。客観的にではなく主観的に見て、色っぽい。奥深くまで揺さぶられるような錯覚がした。

「そ、そう言われると、うわあ。ドキドキする。独り占めかあ」
「事実だろう」
「何よ、勝ち誇ってんじゃないわ。あんたがあたしを独り占めできるんなら、あたしだってエランを独り占めするんだからね」
 言ってから、張り合うところだっただろうかと首を傾げる。恥ずかしいことを口走っている自覚はあったが、もう言ってしまったものは仕方がない。
 それに――楽しそうに口角を吊り上げる彼を見てしまっては、前言を撤回する気になれないのであった。

「そうか。そういうことなら、もっとナカヨクしませんか」
「うん、する。……してください」
 でもどうすればいいかわからないんですけど、とセリカが囁く。
 彼は面食らったように一拍を置いた。

「力を抜いて、好きにしてればいい」
 ――適当すぎる。
 むくれようとして、ふと手の中の布に注目する。視線を落として、青年の、結び目がほどけかかっている帯を目に入れた。
 するりと手を下へ滑らせる。

「じゃあこれ、脱がせますね」
 問いながらも手は帯を解いていた。
「お願いします」
 答え、エランは距離を縮める。
 次なる接吻はより熱く、激しく、そして深かった。息をつく暇がない。つかせたくも、ない。

 お互いの柔らかい部分が交われば交わるほど、脳が蕩けるようだ。
 痛苦も、快楽も、困惑も、幸福も。共に過ごす全てが特別な渦を成して――夜は更けていった。

_______

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