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Valentine's Day
2012 / 02 / 14 ( Tue )
こんにちは! 今年もやってきました甘い物とローマの殉教者ヴァレンティンの日。
なんか知らんがおめでとうございます( `・ω・)▄︻┻┳═一BAN★
 
それからまさかのカウンター300HIT超えありがとうございます!
間違いなく遊びに来てくださる皆々様のおかげです<余談ですが拍手お礼をこっそり入れ替えています
 
気分的に特別編を書いてみました。
といってもアルシュント大陸には聖人バレンタインもたぶんチョコレートも(笑)存在しないので、完全パロディです。
ここはバレンタインデーがあると仮定してジャパニーズ風にいきます。
 
おめっとーん!


*「続きを読む」からとんでください。
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 寝室の床に座して、剣についた汚れを濡れ布巾で拭っていた時だ。出入り口に少女がひょっこり現れた。
「ちょっといいですか?」
 返事をせずに、ゲズゥ・スディルはただ顔を上げて目を細めた。すると聖女ミスリアはそのまま入ってきた。何か濃い茶色の固体を盛った皿を手にしている。
「あの、今日はバレンタインデーという祭日だと聞きました。お菓子を召し上がったり贈りあったりするのが風習だそうですので、ゲズゥも『チョコレイト』をどうぞ」
 明るく笑みを浮かべて聖女が皿を前へ差し出す。
 一口サイズの固体は星型やらハート型やらと少しばかり凝った雰囲気を漂わせている。この濃厚な香りには覚えがあったが、それでも躊躇した。
「甘さでしたら抑えてあります……よ?」
 ゲズゥがあまりに躊躇うからか、聖女が気を落としかけたような顔になった。面倒くさい。
 まぁ減るものでもないだろうと思って手を伸ばし、ひとつ口の中に放り込んだ。歯で噛み砕くと小気味いい音がする。それは徐々に溶けて舌に絡みついた。
 ――驚いた。甘いよりも苦いという味に近いそれは、むしろゲズゥにとっては好みの範囲内だった。もうひとつ、今度はハート型のチョコレイトを取った。
「お口に合いますか? 前に味の濃い食べ物は苦手と言っていましたけど、コーヒーはブラックで飲んでいたのでもしかしたら苦めの味ならお好きなのではないかと考えました」
 聖女は再びぱっと明るく笑った。
 なるほど、悪くない推察である。そんな細かいところにまで気を回す聖女を、少しだけ見直した。嬉しいといえば嬉しい。美味しいといえば美味しい。
 ここは礼を言うべきだろうと思い、口を開いた瞬間――
「あ、カイル! いいとこに。チョコ食べますか?」
 ちょうど廊下を通りかかった聖人に、聖女が声をかける。聖人までもが寝室に入り込む。
「うん? すごいね、これはミスリアが作ったの? 道理で今朝から教会中にいい香りがしてたわけだ」
「溶かして味を調整して型に流しただけです。ホワイトチョコを使ったのもありますよ」
 聖人に皿を渡し、聖女が数秒ほど姿を消した。戻ってくると別の皿を持っていた。こっちは同じ形の白い固体が盛られている。
 聖人がそれぞれの皿から味見する。ゲズゥは膝の上に剣を乗せたまま、二人のやり取りを静観した。
「美味しいね。ダークとホワイトを比べて食べるとまたいい」
「ダークの方はセミスイートチョコレートがベースです。甘くなりすぎないように」
「ありがとうミスリア、わざわざ嬉しいよ。お返しは今度必ずする」
 聖人の爽やかな笑顔には何の裏もなかった。聖女も微笑を返す。
 礼を言うタイミングを逃したと察して、ゲズゥは微妙な気分になった。すぐにそれを追い払い、剣を拭う作業に戻ろうとした。
「まだありますよ。せっかくなのでお茶にしませんか?」
「いいね。君も一緒にどう?」
 聖人の琥珀色の瞳がゲズゥに向けられた。これはまた微妙な気分になる。食卓を囲って甘いものを食べたりするのか。二人でやってればいいのに何故こっちまで誘われねばならないのだろう。
「…………別にいい」
 手元の剣に視線を落とした瞬間、がっしり手首をつかまれた。
「そう言わずに、おいでよ」
 吃驚して勢いよく顔を上げると、聖人のあの爽やかな笑顔があった。この男、見た目以上に腕力がある。
「行きましょう」
 聖女が両目を期待に輝かせている。
 
 面倒だと思いながらも、結局ゲズゥは観念した。

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